こんにちは、あとかです♪
最近、たまたま宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」を読み返す機会がありました。
子供の頃、読んだきりでしたので、かなり懐かしく、意外と新鮮に感じました。
忘れてしまっていたことも多かったので、この先の展開がどうなるのか、結構ドキドキしたりしながら、一気に読み切ってしまいました。
「銀河鉄道」といえば、もう一つ、私達の世代ではよく知られた名作があります。
松本零士さん原作の漫画、アニメで有名な「銀河鉄道999」(スリーナイン)です。
昭和生まれの私ですが、「宇宙戦艦ヤマト」はかなり小さい頃のことで、松本零士作品は、「999」の再放送くらいからハマっています。
今回は、【昭和生まれ集合!】松本零士さんの名作「銀河鉄道999」について語りたい!について、ご紹介します。
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松本零士さんの名作「銀河鉄道999」について語りたい!
「銀河鉄道の夜」とは
宮沢賢治の童話・小説で、実は生前に完成稿としては発表されていません。
1933年の宮沢賢治の死後、草稿が発見され、完成作品でないまま、後に刊行された作品です。
そのため、発売されている本でも、「ここから◯枚原稿なし」や、「◯文字空白」と言う最終稿ではありえない記載が載っています。
実は、研究者が、いくつもの改稿を経た後の最終稿を突き止め、読めるように構築した上で出版したそうです。
研究者による執念の作品と言えるかもしれません。
実際、そういった不足点があっても尚、すごい作品だと思います。
ざっくりとしたあらすじです。
ある夜、主人公のジョバンニが気がつくと、その親友カムパネルラと、銀河をめぐる不思議な列車に乗っていました。
2人でその銀河鉄道で、宇宙空間の巡り、いくつかの出会いと別れを経験します。
その銀河鉄道とは一体何なのか、何故ジョバンニはカムパネルラと一緒にそこに乗っていたのか、最後にそれらの理由が明かされます。
とても不思議なストーリーで、日本語っぽくない設定や用語が数多く使われています。
子供の頃、大好きで何度も読みかえしました。
杉井ギサブロー監督による、アニメ映画(1985年)も製作されています。
ますむらひろしさんの原作漫画の設定から、キャラクターは全て猫で描かれています。
「銀河鉄道999」とは
「宇宙戦艦ヤマト」のキャラクターや、「宇宙海賊キャプテンハーロック」「クイーンエメラルダス」「男おいどん」などの作品で有名な松本零士による漫画作品です。
「銀河鉄道の夜」とストーリー的には全く関連はありませんが、銀河を走る機関車という設定は、確実に影響を受けています。
今は無き「週刊少年キング」に1977年から連載され、同時進行でTVアニメ化もなされました。
TVアニメでしっかり結末まで描かれ、原作漫画の方がむしろ後から終了しました。
私は、リアルタイムで連載漫画を読んでいる世代ではなく、フジテレビ系で放送されたTVアニメと、後に劇場版作品を観ています。
そして、原作終了から15年経った1996年に、その直系となる続編が始まりました。
「月刊ビッグゴールド」という、こちらも今はもうない雑誌の目玉として始まって、廃刊とともにネット連載に切り替わりました。
現在は漫画の公式ホームページも消えていて、連載も完全に止まっている状態です。
1期目のストーリーで原作としてはとても綺麗に終わっていましたので、正直、蛇足感はありましたが、それなりに面白かったので、残念です。
便宜上、完結した1期のストーリーを「アンドロメダ編」、未完の2期目を「エターナル編」と名付けられました。
登場人物
星野鉄郎
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正義感に熱く、行動力が非常に高い、心優しい少年。
「機械の体をただでもらえる惑星」を目指し、メーテルと共に銀河鉄道で長い旅を続けています。
彼を認める大物も多く、銀河に名を馳せる「宇宙海賊キャプテンハーロック」や「クイーンエメラルダス」にも一目置かれています。
最終話近く、彼の行動が、結果として宇宙全体に大きな影響を及ぼすことになります。
TVアニメは原作そのものですが、劇場版アニメではもう少しハンサム(鼻以外)に描かれています。
メーテル
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鉄郎が地球で出会った謎の女性。
「銀河鉄道999」のパスを手渡し、一緒に旅をすることを願います。
容姿は鉄郎の母親にそっくりで、とても長い金色の髪と、黒ずくめの服装が特徴です。
彼女には、とても大きな秘密が隠されています。
車掌
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銀河鉄道株式会社の社員で、銀河鉄道999の車掌。
生真面目な性格で、規則やルールには厳しい。
特に無賃乗車に厳しく、違反者を宇宙空間に放り出したりしています。
とは言え、超高性能な機関車(人工知能)本体の方が偉く、中間管理職のような立場です。
彼の中身にも、ある秘密がありました。
銀河超特急999号
古いSL機関車のような形状ではあるものの、中身は超高性能な人工頭脳により制御される機械列車です。
銀河鉄道株式会社所属の銀河超特急で、「地球〜アンドロメダ」の区間を走っています。
そのパス(定期券のような終着駅までの切符)は超高価で、普通の人生では手に入らないものです。
客車はもちろん、食堂車や寝台車、救護車など、長い旅に必要な装備は揃っています。
先頭の機関室内で、車掌や乗客と話をすることができ、人工知能とコミュニケーションをとることができます。
999以外にも、111号から888号も存在し、それらは比較的未来的な、いわゆるSFっぽい外見です。
原作漫画
「アンドロメダ編」
未来の地球で、人類は機械の体を手に入れることで永遠の命を手に入れていました。
貧富の差は広がっており、機械の体を持てない人間は特に貧しく、虐げられていました。
宇宙空間の移動は簡易となり、自由に行き来することができていました。
主人公は星野鉄郎。
残忍な機械伯爵の人間狩りにより母親が襲われ、その死の間際に「銀河鉄道999」のことを伝え聞きます。
その後、謎の女性メーテルに窮地を救われた鉄郎は、機械伯爵に復讐を果たします。
そして、彼女と共に、「機械の体をただでもらえる」というアンドロメダを目指し「銀河鉄道999」に乗り、旅を始めるのです。
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毎回、様々な星の駅
銀河鉄道にとっては、宇宙空間に浮かぶ、知的生命体の存在する星が「駅」となります。
毎回とある星に立ち寄っては、停車します。
そこで面白いのは、基本的に、その星の「1日」が停車時間となっていることです。
つまり地球なら24時間ですが、その星の自転の速度によって、地球時間で50時間だったり、時には300時間だったりするのです。
そのため、あっという間に飛び立たなければいけないという星もある代わりに、地球時間で何週間も滞在しないといけないという星もあるのです。
もちろん乗り遅れれば、その星に取り残されてしまいます。
それぞれの星は、自然環境が全く違ったり、機械化がとても進んでいたり、謎の生物が存在したりと様々です。
その先々でトラブルや人との出会いによって、主人公は成長していきます。
私は「明日の星」という話が好きです。
機械の体について
舞台となっているのは、お金さえあれば、人間は脳だけを機械の身体に移植して、1000年以上生きられるという世界です。
機械化はどんどん進んでいき、生身であることにこだわる人間と、機械の身体を謳歌している機械化人との溝は深まっています。
それぞれとの出会いの中で、主人公の鉄郎は、機械の体を目指すべきか、人間のままでいるべきか、とても悩みます。
それは、読んでいる私達の迷いでもあります。
永遠の命と限りある命の人生、どちらが幸せなのでしょうか?
大きな謎
まず、メーテルの目的がわかりません。
何故、高価な999のパスを鉄郎にポンと手渡し、ただ一緒に旅を続けること以外何も求めないのか?
途中で少しずつわかってくるのですが、彼女にとっては今回が初めてではなく、しかも誰かの指示でこの旅を続けている節があるのです。
また、彼女は様々な場面でその星に人々にとても丁重に扱われ、時にはひどく恐れられています。
実は、彼女の存在自体に大きな秘密があるのです。
アンドロメダ編のラスト、彼女は大きな決断をすることになります。
「エターナル編」
アンドロメダ編から1年後の世界の話です。
現実の時間は15年も経っていることもあり、その間で様々なスピンオフや劇場版が発表されています。
そのため、原作の「アンドロメダ編」と、かなり辻褄が合わなくなっています。
途中までで連載が止まっているので何とも言えませんが、それでもなんとかまとめようという姿勢は感じます。
出来るだけ、完結に向かって欲しいのですが。。。
アニメ作品
TVアニメ
フジテレビ系列で、1978年から2年半ほど放送されました。
私は、このTVアニメの再放送を最初に見て、原作漫画を読み始めたはずです。
声優さんは、今見ても、ものすごい布陣です。
- 星野鉄郎: 野沢雅子
- メーテル: 池田昌子
- 車掌:肝付兼太
- ナレーション:高木均
ナレーションは印象的です。
原作漫画では、冒頭や最後に描かれる「巻紙」の立場で、その回の教訓や後日談、登場人物の心情などを語ります。
とても心に響く良い声です。
原作を読んでも高木均さんの声で再生されています。
そして何より、野沢雅子さんが未だ現役なのも凄いのですが。。。
劇場版
銀河鉄道999
画像引用元:Amazonプライムビデオ
監督 :りんたろう
公開 : 1979年
上映時間 :129分
原作のアンドロメダ編をダイジェスト的にまとめた作品です。
とは言え、テンポよく主要なエピソードを絡めながら、終着点までまとめています。
まずはこの映画を観るだけでも、999のストーリーは把握できると思います。
また、メーテルの秘密や、ストーリー上の大きな謎、鉄郎の最後の決断まで、しっかりと確認できます。
主題歌は、ゴダイゴの「銀河鉄道999(THE GALAXY EXPRESS 999)」です。
Amazonプライムビデオで、会員は現在(8月1日)無料で視聴できます。
さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅
画像引用元:Amazonプライムビデオ
監督 :りんたろう
公開 :1981年
上映時間 :130分
前作から2年後の世界を描いた劇場版です。
後に、原作漫画の「エターナル編」が描かれたことにより、パラレルワールド化している可能性があります。
かなりしっとりとした作品になっていて、前作の爽快感や達成感みたいなものは薄く感じます。
ただ、内容は決して悪くないと思います。
前作で結末まで語っているので、その後日談のような感じです。
こちらも、Amazonプライムビデオで、会員は現在(8月1日)無料で視聴できます。
銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー
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監督 :宇田鋼之介
公開:1998年
上映時間: 54分
再開した原作漫画「エターナル編」の映画化です。
序盤のみの映像化で、明らかにシリーズ化を狙っています。
ただ、あまりに上映時間が短すぎて、全然ストーリーが進んでいません。
結局、興行的には失敗して、次は無かったようです。
主題歌は、 THE ALFEEの「Brave Love 〜Galaxy Express 999」で、私は結構好きですが、知っている方が少ないです。
その他の作品
劇場版は、他にも昭和時代の子供には懐かしい「東映まんがまつり」の中で、オリジナルストーリーが公開されているようです。
舞台化や、TVドラマにもなっていました。
TVドラマ(BSスカパー)では、栗山千明さんがメーテル役でした。
その他にも、アニメや漫画にて、様々なスピンオフ作品が製作されています。
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他の作品とのリンク
「宇宙海賊キャプテンハーロック」、「クイーンエメラルダス」、「宇宙戦艦ヤマト」、「新竹取物語 1000年女王」など、それぞれが一本立ちした作品ではありますが、松本零士さんの創造する宇宙は基本的に繋がっているそうです。
実際に作品上に登場することもありますが、例え描かれていなくても、同じ時系列、宇宙空間上には存在しているそうです。
ワクワクする設定ですね。
要は、映画「アベンジャーズ」と一緒のワクワク感です。
残念ながら、それぞれの作品が未完のものが多いため、全ての相関や謎は明かされていません。
それどころか、どんどん辻褄が合わなくなっている気がします。
宮沢賢治の研究者が、未完成だった「銀河鉄道の夜」の原稿をなんとか最新の状態に持っていったように、誰かがうまくまとめてくれないでしょうか?
まとめ
今回は、松本零士さんの超名作「銀河鉄道999」について語りたい!についてご紹介しました。
私と同じ、昭和生まれの男子はそれなりに懐かしがっていただけるのではないかと思っています。
松本零士さんの公式ホームページを見ると、まだまだお元気そうです。
是非、999の続きを描いていただき、我々を真の終着駅(完結)まで連れていって欲しいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
それでは、また次回。
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