こんにちは、あとかです♪
海外ドラマの「刑事もの」のジャンルでのあるあるなのですが、「ロス市警」所属と言うのがあります。
「CLOSER」のブレンダも、「S.W.A.T.」のホンドーもそうです。
私自身、「ロス市警」と言う言葉を最初に知ったのは、ずいぶん昔のドラマからです。
そのドラマの主人公である、よれよれのコートにボサボサ頭の冴えないおじさん刑事が所属していたのが、その「ロス市警」でした。
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今回は、【海外ドラマ】古典的名作「刑事コロンボ」の魅力とおすすめポイントについて、ご紹介します。
ネタバレ等は極力していませんが、登場人物紹介等で、一部の情報は記載されています。
ご了承ください。
【海外ドラマ】古典的名作「刑事コロンボ」の魅力とおすすめポイント
「刑事コロンボ」とは
「刑事コロンボ」(原題”Columbo”)は、1968年に1作目がアメリカで放送され、後にレギュラー化しました。
1話完結もので、中断を挟みながら10シーズンまでシリーズ化し、後半は単発のスペシャルドラマとして断続的に製作されました。
2003年に放送された69話目が、最後のエピソードとなっています。
日本でも、地上波で放送され、人気を博しました。
吹き替えによる特徴的な、主人公の言い回しや声のインパクトはとても強く、その後、数多くのパロディの題材にもなりました。
残念ながら、主役のピーター・フォークはすでに鬼籍に入られており、当然、続編も製作されていません。
昔は、NHKや「金曜ロードショー」(日本テレビ系列)という番組内で、よく放送されていました。
近年は、NHK BS やHuluなどのVODサービスでも視聴できます。
あらすじ
コロンボは、ヨレヨレのレインコートに赤ら顔、ボサボサの頭をかきながら、殺人事件の現場に現れます。
小男の上に、姿勢が悪く、一見で冴えない人物とわかる風貌です。
そんな彼を見て、犯人は内心でホッとし、「この男に自分の犯行は暴けない」と、余裕の態度で接します。
しかし、やがて犯人は気づき始めます。
その奥に隠された、コロンボの鋭い観察眼と、尋問力、そして犯罪を決して許さないという強い意志についてです。
そうして、コロンボは犯人の巧妙なトリックを紐解き、難解な事件を解決に導いていくのです。
登場人物
コロンボ
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ピーター・フォーク/日本語吹き替え 小池朝雄・石田太郎・銀河万丈
ロサンゼルス市警殺人課の刑事(日本でいう階級は「警部補」)
名前の通りイタリア系で、既婚。
フルネームは「フランク・コロンボ」。
警察内の地位も決して低いわけでは無く、それなりに給料はある立場と思われますが、安葉巻を愛用し、オンボロの愛車に乗っていて、服装も小綺麗なものは一つも身につけていません。
その上、誰に対しても低姿勢であり、そのことが、他人を「油断させる」武器にもなっています。
刑事でありながら拳銃の扱いは苦手で、そもそも携帯すらしていません。
一方で、こう見えて、かなり知能は高く、犯人の証言から決定的な矛盾を突いたり、捜査に必要な知識を短時間で身につけ、専門家である事件関係者を驚かせることもあります。
とても早い段階から自分が犯人と睨んだ人物に、「捜査のアドバイスをいただく」という姿勢でつきまといます。
犯人も、捜査の進行状況を聞き出すのを幸いを思い、一見愚鈍なコロンボを侮り、好意的に迎え入れます。
その際に、容疑者との距離を詰めるために、もしくは油断させるために使う口癖があります。
「うちのカミさんが……」で始まる他愛のない彼の家庭の話です。
実際にコロンボの奥さんは出演していませんが、真偽不明でありながら、生き生きとした人物像が浮かんでいます。
初代の吹き替え担当の小池朝雄さんが亡くなった後、新シリーズでは石田太郎さんが後を継ぎました。(一部は銀河万丈さん)
小池さんの吹き替えのインパクトが非常に強く、イメージも固定されているため、石田さんも「小池版コロンボ」を踏襲した吹き替えをを行っています。
犯人たち
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毎回、ゲストとして往年の有名俳優がキャスティングされています。
海外ドラマファンならご存知の「スタートレック」のMr.スポックで有名なレナード・ニモイや、カーク船長役だったウィリアム・シャトナー等も名を連ねています。
犯人となるのは、男性でも女性でも、大抵は社会的地位の高い人物です。
経済的にも余裕があり、対外的にも好人物と見られます。
そんな彼らが、やむ得ぬ理由で殺人を犯します。
計画的であったり、その場での場当たり的な凶行である場合もあります。
いずれにしても、ドラマの冒頭シーンで殺人を犯し、その後、彼らはアリバイ作りや犯行方法、別の犯人像など、様々なトリックを仕掛けます。
それを行なっている犯人が、「まさか殺人を犯すとは思えない」人物であり、そのことが完全犯罪にも近づけていきます。
実際に警察による捜査は、犯人の目論見通り進みます。
その上、担当する殺人課の刑事(コロンボ)は、いかにも、うだつの上がらない愚鈍な人物に見えます。
その油断、余裕は、コロンボによってジワジワと揺さぶられていくことになるのです。
「刑事コロンボ」の魅力とおすすめポイント
古典であり、多くの作品のオリジン
本作は、ミステリーで使われるいわゆる「倒叙もの」と呼ばれるジャンルで、視聴者に冒頭から誰が犯人なのかは明かされています。
つまり、最初から、犯人とコロンボが1対1の対決と言う構図となるのです。
そのため、ゲストである犯人役には当時の大物俳優がキャスティングされています。
普通なら脇役である「犯人役」はスターは敬遠する役どころですが、この作品においては、むしろ犯人が主役でコロンボは狂言回しの立場にも見えます。
また、著名な俳優が出演していると、逆にその時点で重要な役どころ(=犯人)だとネタバレする可能性がありますが、この形式だとその心配はありません。
よく言われる日本のドラマの「古畑任三郎」や「相棒」にも影響を与えています。
「倒叙もの」とは
主にミステリー小説で使われるのジャンルの一つで、「とうじょもの」と読みます。
通常なら、事件が起こり、刑事や探偵が証拠や容疑者の中からトリックや動機、意外な犯人を言い当てるというストーリー立てとなります。
倒叙ものでは、物語の序盤で、読者(視聴者)に、犯人やある程度の犯行手口などが明かされているというプロットとなります。
「誰が犯人なのか?」というサスペンスの魅力は薄れますが、犯人にも感情移入しながら物語を楽しむことができます。
このドラマの楽しみ方
これまで言及した通り、このドラマはまず犯人が犯行を行うシーンから始まります。
その後、アリバイ工作や他の人物へ容疑の目を向けさせる企みも一緒に追体験することになります。
そのため、むしろ犯人の方に肩入れするのが、このドラマをもっと楽しめる方法かもしれません。
犯人目線で見ると、コロンボの尋問は本当にいやらしくてネチネチとしています。
しかも事件そのものについて聞いてくるのでは無く、小さな矛盾点をひとつひとつ問いかけてくるのです。
どこまで突き止めていて、何故その質問をしてくるのか?
ハラハラしながら考えることになります。
そして、さらにコロンボが帰り際、ホッとした瞬間に放つ、最後の台詞にドキッとするのです。
「最後にもうひとつ質問が……。」
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うちのカミさん(コロンボ夫人)の謎
コロンボが度々口にするパートナーのことです。
原語では、「my wife」と呼称しています。
ただし、ドラマの「刑事コロンボ」全話において出演していません。
当然ながらキャスティングもされていません。
主に登場するのはコロンボの「うちのカミさんがね……」という台詞の中だけです。
そのため、断片的な情報はあります。
- 夜間学校に通っている。
- 子供がいる。(※「いない」という台詞もあります。)
- コロンボに負けないほど頭が良い。
- 世間の流行には詳しく、コロンボに情報を与えている。
- 弟がいるらしい。
- 料理は上手。
- 犬を飼っている。
とは言え、コロンボが犯人(容疑者)を引っ掛けるために嘘や作り話を話している可能性もあります。
実は、この「カミさん」と我々視聴者がニアミスしたエピソード(第29話「歌声の消えた海」)もあります。
その話では、彼女が「缶詰め買ってメキシコ行こう!」のキャンペーンの懸賞で豪華客船の旅に当選し、コロンボと共に旅行に出ています。
しかもそのクルーズ中に事件が起こっているのです。
ところが、コロンボはその豪華客船に乗船早々にカミさんとはぐれてしまい、全く登場しません。
同じ船内には、いるはずなのに!
こういった存在のため、「いるはずなのに見たことがない」ことは「コロンボのカミさん」というスラングも使われていましたと聞いたことがあります。
ちなみに「ミセスコロンボ」というドラマがあったそうです。
ただし、その作品自体は、公式に「カミさん」とは無関係ということになったそうです。
トリビア的な楽しみ
中断を挟みながらも30年も続いたシリーズですので、多くのトリビアがあります。
よく知られているのは、演出家、脚本家です。
あの有名監督が演出
第3話「構想の死角」における演出は、あのスティーブン・スピルバーグです。
その数年後に「ジョーズ」や「未知との遭遇」を大ヒットさせ、一流映画監督の仲間入りを果たします。
その当時は、まだ売出し中の若手演出家でした。
逆本人出演
第9話「パイルD-3の壁」を演出したのは、コロンボ役で出演しているピーター・フォークです。
自分で自分の演出をしていたわけです。
また、第62話「恋に落ちたコロンボ」では自ら脚本を書いています。
ピーター・フォーク自身、この作品をとても大事にしていたことがわかりますね。
コロンボの斜めの目線
「刑事コロンボ」を観られたことがある方は、下の写真のように、コロンボがやや斜めに首を傾け、右目を閉じ加減にしている姿を思い浮かべませんでしょうか?
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この姿は、容疑者に対して何か見透かしているような演技にもつながっているように思います。
実はこれは演出だけの話ではありませんでした。
コロンボ役のピーター・フォークは目の病気のせいで、幼少期から生涯、右目が義眼だったそうです。
そのため、右目は閉じかけで、何かを見る際は、左目をぐっとそちらの方に向けていたのです。
ハンデを全く感じませんし、むしろ「キャラクター」になっています。
カミさん出演?
前述の通り、コロンボのカミさんは1話も出演していません。
けれども、コロンボ役のピーター・フォークの奥さん(シーラ・ダニーズ)はドラマに登場しています。
しかもそれぞれ全く違う役で、6話も出演しているのです。
コロンボ役は2代目だった
ピーター・フォークの自他ともに認める完璧なハマり役として有名なコロンボですが、実は彼は初代ではありませんでした。
パイロットとして製作されたドラマは全く別の俳優が演じています。
その後、その続編が戯曲「殺人処方箋」として製作された際にもまた、別の俳優が演じています。
そして、「殺人処方箋」がテレビ映画化された時、やっとピーター・フォークがキャスティングされたのでした。
実は、それすら製作陣にとっては第1希望では無く、他の候補に断られたために仕方なく選ばれたそうです。
その結果、30年にもわたる世界でも大ヒットした人気作品になるのですから、わからないものですね。
まとめ
今回は、【海外ドラマ】古典的名作「刑事コロンボ」の魅力とおすすめポイント【「うちのカミさん」の謎】についてご紹介しました。
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【海外ドラマ】古典的名作「刑事コロンボ」の魅力とおすすめポイント
- 古典であり、多くの作品のオリジン
- うちのカミさん(コロンボ夫人)の謎
- トリビア的な楽しみ
・あの有名監督が演出
・逆本人出演
・コロンボの斜めの目線
・カミさん出演?
・コロンボ役は2代目だった
「カタカタするBOX」はLSS (id:little_strange)さんのこちらのブログから!
多分一番最初にこの作品を観たのは小学生の頃だったと思います。
当時は、冴えないおじさん(コロンボ)が、いかにもスマートな犯人にしつこくまとわりつく姿に、かっこよさは全く感じませんでした。
でも、今ならその知的な戦略や正義感のようなものわかります。
大人のドラマだったんだなぁ、と今更ながら思います。
でも、難しいことは考えず、素直に楽しめるドラマです。
現在、NHK-BSや各種VODサービスでもご視聴になれます。
犯罪ミステリーやサスペンス好きの方、是非お試しください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回!
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