こんにちは、あとかです♪
最近のコロナの影響により、人が集まって密集する場所、行動、活動が全て自粛となっています。
小劇場を主体とする劇団の公演はまさに「3密」のため、早い段階から全て中止、延期となりました。
そんな劇団出身の名俳優たちが在宅にて有名な舞台の再演する「朗読会」を配信されました。
その舞台とは、あの三谷幸喜作の「12人の優しい日本人」です。
Web会議サービスの一つ、「zoom」により、一つの芝居を役者さん各々の部屋から演じるという、今だからこその、とても画期的なことが行われ、生配信されました。
しかも、現在アーカイブがYoutubeにて配信されています(5月末まで予定)
しかも無料と言う奇跡です。
今回は、「12人の優しい日本人を読む会」を視聴した感想をご紹介します。
引用元:https://12nin-online.jimdofree.com/
【Youtube配信中】「12人の優しい日本人を読む会」の感想
「12人の優しい日本人」とは
原作舞台版
今回、朗読会を告知、配信した、公式ホームページに記載があります。
三谷幸喜氏が劇団(東京サンシャインボーイズ)時代に書き下ろした戯曲。
「もしも日本にもアメリカのような陪審員制度があったら…?」という架空の設定で描かれた法廷劇・密室劇・そしてコメディ。
劇団では1990年、91年、92年と度々上演、2005年にはパルコプロデュースでも上演された。
また1991年には中原俊監督によって映画化された、東京サンシャインボーイズの代表作の一つ。
「12人の怒れる男」という、アメリカのサスペンス映画(ドラマ)があります。
ひと癖もふた癖もある12人の陪審員達が1部屋に集まって、有罪か無罪かについて全員一致の評決を目指して、議論が行ったり来たりするという筋です。
その作品からインスピレーションを受けた本作ですが、そこは三谷幸喜作ということで、笑いと人間「らしさ」みたいなものが、所々に折り込まれています。
映画版
1991年に、中原俊監督により、映画化されています。
舞台版とほぼ同様の進行です。
若い頃の、豊川悦司が、とても印象的でした。
「12人の優しい日本人を読む会」
あらすじ
これは「日本にもし陪審員制度があったら…?」という物語。
ある裁判の陪審員として、仕事も性格も裁判へのやる気も全く異なる、12人の一般市民が集められた。
評決は全会一致が原則である中、最初の決で12人全員が「無罪」に挙手。呆気なく審議終了・解散となりかけたところ、陪審員2号が「話し合いたいんです」と意見を「有罪」へと翻す。
いざ話し合いが始まってみると、理由があやふやな人・参加意欲の乏しい人・付和雷同な人・意固地すぎる人・・・。議論するたび、有罪無罪の決をとるたびに各自の考えは二転三転。
事故か? 事件か?
一人の男性の死を巡って、良くも悪くも日本人らしい12人の激論が始まった。
登場人物
陪審員12名
1号:甲本雅裕 (冷静で落ち着いた人当たりの良い陪審員長)
2号:相島一之(この人の意見から、喧々諤々の会議は始まってしまいます)
3号:小林隆(「マスター」と呼ばれます)
4号:阿南健治(「フィーリング」を大切にしますが、意外と頑固です)
5号:吉田羊(メモ魔で、手帳に細かいことまで全て記録しています)
6号:近藤芳正 (良い加減で、言葉に重みがありません)
7号:梶原善(子供っぽく、喋りすぎて、何度も注意を受けます)
8号:妻鹿ありか(日和見的ですが、余計な一言を言いがちです)
9号:西村まさ彦(しっかりしていますが、一番ブレています)
10号:宮地雅子(前半、かなりイライラする存在ですが……)
11号:野仲イサオ(常に斜に構えたポーズで、議論に参加しません)
12号:渡部朋彦(仕切りたがりで、意外と議論の中心にいます)
守衛:小原雅人(時々、入ってきて場を締めます)
他
オープニングの期待感
2020年5月6日に、前半・後半に分けて、Youtube Liveにて、生配信されました。
冒頭、この企画の発起人の近藤芳正さんが登場し、前口上を入れます。
まず12人がこのシステムに慣れるまでが大変だった様です。
稽古の最初、全員がzoomに入るだけで1時間もかかってしまい、始まってからも玄関のチャイムが鳴ったり、一番いい場面で「石焼き芋」の声が入ったりしたそうです。
そういったことを踏まえ、今回の企画主旨は「どんなに、ぐだぐだになっても最後まで続ける。」と宣言されました。
続けて、脚本の三谷幸喜さんも加わります。
「よくこんな面倒なことやろうって思ったね!」と最初から苦言を呈してきます。
すぐさま、「でも、だいたい面白いものはめんどくさいからね。」とフォローも。
ご自身が発言されますが、この脚本を29歳の時に書き上げているそうです。
自分がその年齢だった頃を思い返すと、絶対にそんなことができるとは思えません。
本編には全く関係ありませんが、三谷幸喜さんは、「全然、外出していない」ため、まるで、ある有名なアニメ監督の様な風貌になっています。
本編〜12分割だからこそ役者さんの凄さ
ほとんどの時間を、12コマに分かれて演者は1人ずつ、肩から上しか見えていません。
それだけに役者さんの凄さがよく分かる仕組みでした。
舞台でもそうですが、zoomを使用しているので、台詞を喋っていない間も、全員が映り続けています。
台詞を喋っていない時に何か余計な動きをするのではなく、「何もしない」ことを演じているのがすごいと思いました。
私は、この配信を2度観たのですが、2回目の時は12分割の中で、敢えて台詞を喋っていない役者さんの演技を観ていました。
当たり前ですが、誰も気を抜いていなくて、見応えがありました。
また、全員がこちらを向いているのに、四角い長机に向かい合って座っている様な錯覚を覚えました。
一応、手元に台本を持って演じている様でしたが、いつ読んでいるのか、全くわかりませんでした。
朗読会とは言いつつ、もしかしたら台詞が概ね頭に入っている状態で臨んでいたのかもしれません。
三谷幸喜さんの脚本通り、それぞれの陪審員に、ちゃんとイライラさせられます。
「全員一致」でないと終わらない設定なので、1人だけ逆の意見を言ったり、大した理由もなく頑固に意見を変えなかったり、自分の意見はなく日和見だったり……。
観ているこっちも、「さっきと言ってることが違う!」とか、「なんでそっちに手をあげる??理解できない!」と思うのですが、考えてみれば、現実の会議もそんなものですね。。。
音声と映像
大声を出した時の若干の音割れと、動いて演技した時のマイクへの打撃音が気になるくらいで、後は全く問題なく楽しめました。
大変そうだと思ったのは、自分が喋っている時に相手の声が聞き取りづらいことです。
私自身も、最近は仕事でオンライン会議に参加して経験していますが、結構ストレスです。
配信中もごく稀に、話をしている演者が相手の声が聞きとれていないことがありました。
それでも、さすがのベテラン俳優達で、ちゃんと上手く流していました。
エンディング
それまでの12分割ではなく、喋っている演者のコマだけが残って締めて行きます。
全体の会議でなはなく、個別に2〜3人ずつで喋っている様に感じましたし、短い時間で伏線回収や種明かしていました。
最後のカーテンコールの代わりに全員が登場し、終了です。
アーカイブ配信
暫定的に5月中という期間限定で、Youtubeで現在も観られます。
(2020年6月1日以降、現在配信は終了しています)
私は、5/6の生配信を見て、もう一度Youtubeで観ました。
無料ですので、是非今のうちにご覧ください!
無料で観られるレベルじゃないです。
まとめ
今回は、無料配信中でおすすめ!三谷幸喜「12人の優しい日本人を読む会」の感想についてご紹介しました。
この様なレベルの作品が「無料」で観られるというのは、この状況だからこその「奇跡」だと思います。
最近は、外出自粛と在宅勤務やテレワークで、ストレスが溜まることもあります。
「#StayHome」「#家ですごそう」という状況は、まだ変わっていません
それでも、こんな状況だからこそ、楽しめることもあると、この「朗読会」を視聴して、思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次回。