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あとかのブログ

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【相続した土地のこと〜その②〜】土地の持ち主に全ての責任があります。

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こんにちは、あとかです♪

 

前回から、祖父母から、私が相続した土地について書いていますが、その続きです。

 

その土地は、九州のとある田舎町の「T町」にある「山林」です。

T町には、住んだこともありませんし、住所から地図を見ても、どこのことやらわかりません。

「権利書」があるだけで、 その土地がどこにあるのか、今どうなっているのか、自分の目で確認できていませんでした。

ただ、何年かごとに、あちこちから封書が届き、否が応でも「自分の名義の土地があること」だけは、実感させられています。

 

今回は、一番最近のこと、今年届いた封書について、書いておきたいと思います。

 

 

前回まで:1〜3通目の封筒

↓昨日、更新した記事です。 

www.atoka.xyz

 

これまで、に届いた封書です。

1通目の封筒:東京の地方裁判所から

2通目の封筒:T町のある県の地方裁判所から

3通目の封筒:T町にある法律事務所から

それぞれについて、ちょっとだけ面倒なことが起こりました。

 今思えば、この後の4通目の封筒に比べたら、ほんの些細なことでした。

 

4通目の封筒:T町役場から

封書の内容

前回の冒頭に出てきた「T町役場からの封書」の話です。

封書の中には、①町長名義の文書、②2枚の写真が印刷されたもの、③コピーした地図、が入っていました。

 

文書の内容は、要約すると、以下の通りです。

あなたの持っている土地の樹木が、隣の土地に倒れてきそうになっています。
隣の土地は墓地で、このまま放置しますと、木が倒れてきて、墓地、墓石、参拝者に危険を及ぼしそうです。
あなたの土地なんだから、伐採などの処置をしてください!

 

ご丁寧に、森林・林業基本法の抜粋まで記載してありました。

(森林所有者等の責務)
第9条 森林の所有者又は森林を使用収益する権限を有する者(以下「森林所有者等」と言う。)は、基本理念にのっとり、森林を有する多面的機能が確保されることを旨として、その森林の整備及び保全が図られるように努めなければならない。

 

印刷された写真を見ると、確かに立派な樹木(杉?)が立ち並んでいて、その内、何十本かが、倒れかかっているように見えました。

その横に、墓地もしっかり写っています。

T町は比較的、台風の直撃しやすい場所なので、このままいったら確かに危ないかも?と言うことはわかりました。

 

ただ、同封の地図を見て、指し示している場所を確認しましたが、全くどこだかイメージできませんでした。

T町は子供時代の夏休みと、祖母のお葬式で行ったくらいなので、土地勘も皆無に近いものでした。

 

杉の伐採について、インターネットで調べてみると、「格安!1本1万円で切りますよ!」と言う業者さんのホームページをいくつか発見しました。

今写真で確認できる、倒れかかっている樹木だけでも、数十本は見えます。

つまり、何十万円もかかる計算になります。

 

ホームページには、「重機を使うときはさらにアップ!」とも書いていましたので、果たしてそれくらいでも済むのかどうか??

 

軽くパニックになりました。

 

「こんな、どこにあるかも知らない土地の伐採費用を出さなきゃいけないの??」

「しかも、それをしないと、何か起こった場合、何か弁償しなきゃいけない??」

「行ったこともない土地の責任??」 

 

これまでのように「スルー」と言うことも、頭をよぎりましたが、「確かに、何もしないと危ないのは間違いないよね。。。」とも思い直しました。

 

今、私が住んでいる土地から、T町までは、空路〜陸路で、最短でも5〜6時間はかかります。 

しかも、自分が行ったからといって、何かできるわけではありません。

 

これは、「この案件を郵送してきたT町役場の人を 巻き込むしかない!」と思いました。

「T町に住む人の安全を守るために、一緒に考えてもらおう」と言う大義名分も浮かびました。

 

私はある作戦を考えてから、T町役場に電話をかけました。

 

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T町役場にコンタクト

 封筒に記載されているT町役場の電話番号に、連絡しました。

ボソボソッとした声の男性が出られて、「はい、〇〇係です」と言われました。

どうやら直通電話だったようです。

 

私は、いきなり切り札を切り出しました。

できるだけ、礼儀正しく、丁寧に、朗らかな声で、「私、あとかともうしますが、町長様はいらっしゃいますか?」と言いました。

 

電話の相手は、クレームでも、怒鳴り声でもない、普通のトーンで、町長につないでほしいと言うことにちょっと面食らった感じでした。

「町長に、何かご用ですか?」

 

「実は、T町長様名義で私宛にお手紙をいただきました。

私の名義のT町にあります土地について、近隣のお墓や住民に危険が及ぶ可能性があるので、手を打つように、町長からご連絡をいただきました。

町長からのお手紙ですので、直接ご相談した方が良いと思いまして。」

 

手紙を、組織の最上位者名(この場合は町長)で出すのは当たり前です。

だからと言って、その問い合わせについて、最上位者をいきなり電話口に出すことはありえません。

すべての案件に一々町長が出てくるわけがないのです。

ただ、文書は間違いなくT町長の名前できていますので、「直接話したい」と言うのは、とんでもない屁理屈ですが間違いではないのです。

 

自分の小売業での経験から、お店に来たお客様から「店長出せ!」と言われて、ホイホイ連れてくるわけには行かないことも経験しています。

 

私の本当の狙いは、もちろん町長ではなく、私と一緒に親身になって考えてくれる「T町役場の担当者」です。

 

最初に電話に出た方は、「しょ、少々お待ちください」と言って、他の方に変わりました。

変わられた方にも、念のため、「町長ですか?お忙しいところ、申し訳ございません」と言いました。

正直言って、町長に出てきていただいたところで、何もなりません。

 

次に電話に出たSさんは、実際にこの手紙を作成し、郵送いただいた方でした。

 

Sさんは冷静に、「町長には許可を取って郵送したものの、担当は私です。なので、詳細を知っている私と話をしてもらえませんか?」と言われました。

もちろん、同意です。

 

 

ここで、詳しい事情を聞くことができました。

・私名義の土地の杉の木がかなり伸びていて、年々台風で、隣の墓に倒れかかってきている。
・隣の墓地は、実はT町の土地。
・お墓の持ち主から、相談を受け、その山林の持ち主をして、あとかさんを確認できたので、「お願い」として郵送した。
・もし、杉の木が倒れて墓が傷ついたり、人に被害があれば、あとかさんに訴訟を起こされる可能性がある。

 

私としては、自分の義務については、理解しています。

「住民の方に危険が生じるなら、それは何とかしないといけないと思っています。

ただ、私はT町に住んだこともなく、どこにある土地なのかも、地図をいただいて初めて知りました。

私は今は遠隔地に住んでいますし、土地勘もないそのT町で、伐採等を、どこに頼んで良いかも、わかりません。

どうすれば良いか、ご相談したいのですが……。」

 

おそらくSさんは、町長の名前を出すような、ある意味こずるいことをしなくても親身に相談に乗っていただいたと思います。

 

言い訳になりますが、私も、それくらいパニックでしたし、必死でもありました。

 

それは、7月始めのことです。

これから、やがてT町は台風シーズンに入るので、それまでに何とかしないといけないので、気が急いてもいたのです。

 

 

伐採費用はいくらかかるのか?

危険な部分だけでも伐採するとして、どれくらいの費用がかかるのか、具体的に見積もりを取ってもらうことになりました。

Sさんが、同じT町役場の山林の管理をしている課で、林業の業者さんを紹介していただくことになりました。

Sさんは、「役場の関連の林業業者さんをご紹介しますが、申し訳ないですが、役場から依頼することはできません。あとかさんから直接依頼をお願いします」

当然ですが、町の仕事の依頼ではないので、Sさんにはお礼を言って、私自身でご連絡させていただきました。

 

紹介していただいたH林業様に電話をかけると、元気の良い女性が出られました。

「あー、お墓のところの見積もりの件ですね!聞いてますよ!」と言い終わるや否や、こちらが何も言いだす前に、「社長ー!社長ー!」という呼びかける大きな声が聞こえました。

彼女は必要以上に大きな声だったため、携帯電話からやや耳を離して、その「社長」が出られるのを待ちました。

 

あれ、電話切れてる?と勘違いするくらいの間が空いて、かなり年配の男性の声が聞こえました。

「はい。聞いとりますよ。現地に行って見積もりして連絡します!」とだけ言って、ガチャンと切れてしまいました。

 

「そうか、Sさんが伝えてくれてたんだな」と安心しかけたところ、「連絡くれるって、こっちの連絡先も知らないよね?」と思い直しました。

 

慌てて掛け直し、またさっきの元気な声の女性に、連絡先をお伝えしました。

そこでやっと、社長が耳が遠くなっていて、この女性は自然と普段から大きな声で喋るようになっていることがわかりました。

 

ついでに「見積もりして、1週間後に連絡する」というお約束もいただきました。

あとは、とりあえず待つしかありませんでした。

 

伐採費用は、一体いくらくらいになるのか??

怯える1週間でした。

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見積もりが出るまで

1週間後、H林業さんから連絡があり、「見積もりができなかった」と言われました。

その週に、T町では梅雨の大雨が降り続いていて、現地での確認ができなかったそうです。

 

その頃には、比較的大きな台風5号まで、発生し、九州方面に向かう予想進路でした。

長引きそうな感じかな。。。

 

懸念通り、7月はそれ以降も梅雨前線もありながら、台風も直撃するという最悪な状況となりました。

今年は、全国的にもあちこちで雨災害が起こるレベルでしたので、T町でも見積もりする時間がなかなか取れなかったようです。

 

雨続きで、すでに受けている伐採の仕事がたまっていて、晴れ間があれば一気にたたみ込んでいたのだと思います

当然、見積もりは後回しとなり、 結局、連絡が来るまで、1ヶ月以上もかかりました。

 

その間、ただ待っているわけにもいかず、伐採費用や自分の土地からの倒木で墓石を壊した場合の弁償など、ネット等で調べていました。

  • 杉の伐採費用 1万円×本数  
  • 倒れた墓石を戻す費用 30万円×墓の数
  • 墓石が破損していた場合 5〜30万円×壊れた墓の数
  • 人的被害があった場合、どうなるのか
  • 重機を使った場合の追加料金

 

悪く考えれば、次々と不安要素ばかり出てきました。

民事で、お金で済んだとしても、全部合わせると、とんでもない金額になりそうでした。

 

そこで、あることに気づきました。

「あれ?杉を切るのは良いけれど、切った後の処分ってお金はかからないのかな?」

 

伐採費用の相場は、インターネットのホームページでは、1本1万円くらいでしたが、処分もコミコミなのか?わかりませんでした。

あんなにでかい物を、そのままでは捨てられないし、焼いたり、折ったりして、バラバラにして捨てるのか?

想像しただけでも、処分費用がかさみそうです。

また若干、暗くなりました。

 

ただ、もう少し調べてみると、意外なことに行き当たりました。

それは、「杉の木は、買ってもらえる」ということでした。

 

今の世の中、ゴミの処分には費用がかかると思い込んでいましたが、逆でした。

これって、どうなっているのだろう??

 

もし切った木を売ってもらえるなら、差額だけで済むんじゃないか……? 

 

ちょっとだけ、光が見えた気がしました。

 

H林業さんにご連絡し、切った後のことについて確認しました。

H林業の社長のお話では、「売ることができる」とのことでした。

と言うか、元から売る予定で見積もりも立てる手はずだったとのこと。

杉だったことが幸いしていました。

 

あとは、お願いだけです。

「杉を是非売ってください!

私の願いは、H林業様の作業代と、杉の代金で相殺いただけるとベストです。

ご無理を言いますが、とんとんになるように是非うまく対応いただけないでしょうか?」

 

若干不思議そうな声でしたが、「わかりました。ちゃんと見積もって見なきゃはっきり言えないけど、とんとんになれば、良いんじゃね」と快諾いただきました。

 

 ほんの少し、気持ちが楽になりました。

見積もりが出た! 

もうお盆を過ぎた頃、やっと、見積もりが出たという連絡をいただきました。

 

トリプル台風などが本州襲い、九州にも大型台風が縦断したりして、倒れかかった杉のことが頭にある私には「今年は一体どうなってるんだ!?」 と天気図を見ながら冷や汗をかくしかありませんでした。

 

 見積もりの結果、H社長のお答えは、「あとかさんのご要望通り、とんとんで行きますよ!それでよけりゃ、契約書を送ります」でした。

 

膝から崩れ落ちるほど、「ほっ」としました。

 

「また台風が来るみたいだから、作業もできるだけ早くしたい」ともおっしゃいました。

そうです。

あとは、台風が来て、被害が出てしまう前に切っていただけるか、と言うことになりました。

 

数日後、契約書が来ないなあと思っていた頃に、H林業の社長から連絡が入りました。

「あとかさん土地の横の竹林も切っておいたほうが良いけど、どうする?」

そこは私の土地出ないので、勝手に許可などできません。

社長は「この竹林の持ち主は▲▲さんって、あとかさんと苗字が同じみたいだけど知ってる人?」と言われました。

それは、亡くなった私の父の名前でした。

 

こんなところにも、知らない土地があるのか??とガックリきました。

 

ただ、またその直後に、九州にではありませんが、大型の台風15号が本州に向かって近づいて来ていました。

 

結果と後日談

先日千葉県を直撃して、いまだに停電等の被害の続いている台風15号が過ぎた去ったあと、またH林業さんから電話が入りました。

「伐採終わりましたので、契約書送ります!」とのことでした。

 

あ、終わってから契約なのね?と、順序については若干気になりましたが、危険が除去され、今後の憂いがなくなったことの嬉しさが大きく上回りました。

 

念のため、久しぶりにT町役場のSさんにお礼の連絡をしました。

「伐採は終わったとお聞きしました。ありがとうございました。

Sさんから見て、お墓の辺りは危険は無くなっていますか?」

Sさんはすでに現地を見ていたようで、「現地を確認しましたよ。大丈夫ですね。今後も安心です」とお墨付きをくれました。

 

ただ、Sさんにお聞きして、びっくりしたことが2点ありました。

 

①実は、杉の木はすでに倒れていた

T町に、直撃してはいないものの台風15号の影響の風雨で、杉が数本が、墓石をなぎ倒していたらしいのです。

不幸中の幸い、そんな天候ですので、当然巻き込まれた人もおらず、倒れてはいるものの墓石も無傷だったそうです。

そのため、H林業の社長がうまく現状に戻していただいたのでした。

結構すれすれだったことがわかり、心臓がキュッとなりました。

②実は、とんとんではなかった

それからSさんが「今日H林業の社長が、町役場に来られて言っていましたが、見積もりを間違っていたらしいのです。とんとんにならなかったと。」

 

「ええええ!?じゃあ、差額の支払いはどうなるの??」と思いました。

安かったら助かるけど、とんとんって約束したから無償にしてくれないかな。。。とか、ちょっとした期待をしたりしました。

 

でも、意味が全く違いました。

「杉を売った代金の方が高いから、お金お返さないといけない。あとかさんに、とんとんでやりますとあんなに約束したのに、本当に申し訳ない!」

と謝っていらっしゃったそうです。

 

いやいやいやいやいやいやいや!!

利益まで出していただいて、その上、気まで使わせてしまい、本当にすいませんでした!

 

5通目の封筒;H林業から

先週、無事に契約書も届きました。

これまで、この土地の件で届いたものの中で、私が唯一待っていた封書でした。

 

実際の伐採費用と杉の販売額が書かれた契約書が同封されていました。

それを見ると、かなりリーズナブルな料金で伐採していただいていたことがわかりました。

 

必要な箇所すべてに付箋を貼って、指示していただいた通りに、記入、押印しました。

その上で、自筆で、お礼の手紙も添えて、返送しました。

 

この件は、これですべて終わりとなりました。

 

まとめ

相続した土地で、なんとなく持ってただけですが、10年、20年と経つにつれて、さて、自分の子供の世代にはどうしよう?と思い始めました。

まだちゃんと名義変更していない土地もありそうです。

 

今度まとめて、ちゃんと処理(もしくは処分)をしなくてはならないでしょう。

 

10数年振りに、T町を訪れるのも良いかな、とも思い始めています。

生きていると本当に色々なことが起こりますね。

 

最後まで、長々とした文をお読みいただき、ありがとうございます!

 

それでは、また次回! 

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