こんにちは、あとかです♪
みなさん、プロレスって、お好きですか?
私は、ほとんど興味を持たずに過ごしてきました。
昔々、TVアニメ由来の「タイガーマスク」が実際にレスラーとしてリングに上がって、大人気になった頃に、ほんの少しテレビ中継を齧った程度です。
ましてや「女子プロレス」となると、ほぼ観てきていませんし、当然ながら、女子プロレスラーのことはほとんど知りません。
そんな私ですら、名前と顔を知っている実在の女子レスラー達が登場するドラマが、Netflixで配信されました。
今回は、そんな女子プロレスをほとんど知らない私が観た、【Netflix】ドラマ「極悪女王」には、ある意味裏切られた!【感想とおすすめポイント】について、ご紹介します。
ネタバレ等は極力していませんが、あらすじや登場人物紹介等で一部記載されています。ご了承ください。
画像引用元:IMDb
【Netflix】ドラマ「極悪女王 」にはある意味裏切られた!
「極悪女王」とは
Netflixのオリジナルドラマとして、2024年9月19日から世界配信されました。
英題は直訳と言える“The Queen of Villains“
1話あたり60〜80分で、5話で完結しています。
ストーリーの構成から考えると、おそらく続編はなく、ここで綺麗に完結していると思われます。
企画、脚本は、放送作家でも活躍された鈴木おさむさん。
演出は、映画「狐狼の血」「日本で一番悪い奴ら」で知られる白石和彌監督。
実在の女子レスラー「ダンプ松本」さんを主人公に、1980年代の女子プロレス界を舞台に、彼女の周辺で起こった出来事を題材としています。
配信後、週間TOP10で1位を獲得し、話題となっています。
あらすじ
1980年代、「極悪女王」と呼ばれた伝説のヒール(悪役)プロレスラー、ダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)。
のちに彼女は、日本で最も有名な女子プロレスラーの一人となっていきます。
そんな彼女も、幼少期には、大きな身体にこそ恵まれてはいましたが、引っ込み思案で大人しく、すぐメソメソしてしまう優しい性格の少女でした。
彼女の本名は、松本香。
香は、ある日、偶然「全日本女子プロレス」のレスラー達の練習風景を目の当たりにし、すっかりプロレスの虜となります。
特に、元祖アイドル女子プロレスラーコンビの「ビューティ・ペア」に夢中となりました。
ビューティ・ペアは全日本女子プロレスに所属し、タッグチームとして試合に出るだけにとどまらず、歌番組などのTVにも出演し、香だけでなく、当時の少女達から絶大な人気を集めていました。
そして、いつしか香は「観る」だけではなく、自分もその中に入りたい、「プロレスラーになりたい」という思いを募らせる様になります。
その思いを実らせた香は、家族に黙って、全日本女子プロレスの新人オーディションを受け、見事合格を勝ち取るのでした。
同じオーディションで合格した同期メンバーには、後にビューティ・ペアの後継者として名を馳せ、香のライバルとなる「クラッシュギャルズ」の長与千種(唐田えりか)、ライオネス飛鳥(剛力彩芽)もいました。
ベビーフェイスに憧れた松本香が、後に、いかにして最恐のヒール(悪役)の「ダンプ松本」になったのか?
女子プロレスに青春を賭けた少女達の闘いが、今始まるのでした。
画像引用元:IMDb
登場人物
ダンプ松本 (松本 香)/ゆりやんレトリィバァ
画像引用元:IMDb
本作の主人公。
幼い頃、酒乱の父の暴力や貧乏生活にさらされながら、素直に優しい性格に育ちます。
その性格のせいか、全日本女子プロレスに加入してからも、なかなか芽が出ず、同期の「クラッシュギャルズ」の活躍に、大きく差をつけられてしまいます。
そんなある日、ある事件をきっかけに、彼女はその風貌や振る舞いを大きく変化させ、ヒールレスラー「ダンプ松本」を名乗る様になります。
ダンプ松本になってからの彼女は、フォーク等を使った凶器攻撃や場外乱闘、レフェリーとの結託で反則をやりたい放題と、まさに「極悪女王」と呼ばれる傍若無人な行動をリングで展開します。
やがて「極悪同盟」というヒール軍団を率いることになります。
画像引用元:Netflix
長与 千種/ 唐田えりか
昭和55年に入団した松本香(ダンプ松本)と同期のレスラー。
空手を得意としているものの、当時のルールでプロレス技としては使用できず、伸び悩んでいました。
九州出身で不遇な幼少期を過ごしていたため、プロレスだけが最後の拠り所となっています。
ビューティ・ペア引退後、その後継として推された「クラッシュギャルズ」をライオネス飛鳥と結成し、超人気レスラーとなります。
ライオネス飛鳥 (北村智子)/ 剛力彩芽
昭和55年に入団した松本香(ダンプ松本)と同期のレスラー。
ただ、その実力は同期から抜きん出ていて、早期からその頭角を表しています。
長与千種と共に「クラッシュギャルズ」を結成し、超人気レスラーとなります。
演じている剛力彩芽さんって、かなり細身のイメージでしたが、今作のために10kg以上も増量されたそうです。
松永高司/村上淳
全日本女子プロレスの会長。
経営陣である松永兄弟の三男で、カリスマ的な経営者です。
3禁(禁酒・禁煙・禁男)を提唱し、傘下のレスラーに固く守らせます。
そういった立場でありながら、プロレス会場の屋台で自ら焼きそばを焼いています。
松永国松/ 黒田大輔
松永兄弟の四男。
兄と弟の言い争いに挟まれながら、調整役にもなっています。
レフェリーの「ジミー加山」として、リングにも上がっています。
松永俊国/斎藤工
経営陣である松永兄弟の五男で、取締役・渉外担当。
かつて、ビューティ・ペア全盛期にドル箱だったプロレスのTV放映を再び取り戻すために、あらゆる手を講じます。
「髪切りデスマッチ」等の奇抜なルールや、レスラー同士の遺恨を演出したり、「ブック」と呼ばれる出来レースを駆使し、表裏から女子プロレスを盛り上げようとします。
その一環として、「クラッシュギャルズ」を新たなスターへと導いていきます。
会長との兄弟間の仲は決して良いわけではなく、言い争いは絶えません。
阿部四郎/音尾琢真
本来は全日本女子プロレスの興行プロモーターであり、後にダンプ松本の「極悪同盟」お抱えのレフェリーとなりました。
あからさまな「極悪同盟」への肩入れをしており、クラッシュギャルズのファンであるほとんど全ての観客からもヒール(悪役)と認識されるレフェリーでした。
例えば、極悪同盟が我がフォールされた場合の3カウントは、「ワーーーーーン、……、トゥーーーーーーー、……」と明らかに遅く、逆にクラッシュギャルズ側がフォールされた場合には「ワン、トゥ、スリッ!」と素早くカウントします。
また、ダンプ松本の繰り出すフィークや鉄の鎖等の凶器についても、見て見ぬふりを繰り返します。
昔フジテレビ系列のバラエティ「めちゃ×2イケてるッ!」でも、ナインティナインの岡村隆史さんがパロディとして扮していました。
まさに、あのまんまです。
「極悪女王」の感想とおすすめポイント
プロレスシーンの再現度
正直に言えば、同じNetflixドラマで、相撲界を描いた「サンクチュアリ」より、稽古や試合の痛み、過酷さは伝わってこない。
とは言え、実際の女子プロレスの映像と比較して観てみると、とてもよく再現されていることがわかります。
全日本女子プロレスの公式Youtubeで、「極悪女王」と連動した動画が公開されていますので、本編を見終わった方は、是非観比べてみてください。
本作配信後、劇中に登場した実際の女子プロレスラー本人達が、Youtubeなどの媒体で話しているところによれば、プロの目線から見れば、受け身の取り方や技の掛け方などは甘い部分も多くあるみたいです。
受け身や技をかける側が双方が下手、ということは、それぞれに相当「痛い」はずです。
それにもかかわらず、プロレスの指導にあたっていた長与千種さんの話によれば、試合の99%が本人が出演していて、かなり危ないシーンや遠景シーン等でほんの少し吹き替えレスラーの映像が使われている程度だったのこと。
また、ダンプ松本の凶器攻撃と流血シーンについては、大変痛々しくできています。
血のシーンが苦手な方は避けた方が良いかも知れません。
しかもそれは、決してオーバーな表現ではなく、当時のリングで実際にそれくらいの流血シーンが繰り広げられ、その上、民放のテレビでも放送されていたのでした。
「極悪女王」の映像を観ていて荒唐無稽に感じるシーンも、実は当時をしっかり再現しているというのは、驚きであり、魅力でもあります。
特に、音尾琢真さんのレフェリー阿部四郎の演技は可笑しくって笑ってしまいますが、実物通りなのも驚きです。
後半へのストーリーの盛り上げが秀逸
タイトルは確かに「極悪女王」なのですが、主人公である気弱で大人しい松本香が、最恐最悪のヒール「ダンプ松本」に、なかなか変貌しません。
今作は1話あたり60分を超えるとは言え、たった5話しかありません。
若干ネタバレになるかも知れませんが、その5話のうち、半分以上は「ダンプ松本」以前の話なのです。
では何の話が展開されるのか、と言えば、前半はほぼ「クラッシュ・ギャルズ」の二人が主人公なのです。
特に、松本香と親友となった長与千種(唐田えりか)に感情移入する展開となっていると思います。
どちらかと言えば、長与側から見た挫折や友情、その後の周囲との確執までがじっくり語られます。
そこまでクラッシュ・ギャルズがベビーフェイスとして大きな存在になったからこそ、松本香=「ダンプ松本」が対抗するヒールとして輝く様になるのだと思います。
実際に「ダンプ松本」が描かれる後半2〜3話の盛り上がりは最高潮で、あっという間に結末まで観てしまいました。
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「ザ・昭和」の風景
今作の舞台の1980年代当時は、私自身は子供でしたが、「昭和の人々」の勢いやギラギラした感じがとても懐かしく感じました。
全日本女子プロレスの経営陣である松永兄弟や、極悪レフェリーの阿部四郎、松本香の家族、当時活気のあったテレビマンなどなど、皆それぞれの立場が違っていても、一様に懸命に生きていて、やる気に満ち溢れています。
この頃の日本は、高度成長期が終わりを告げたとは言え、この後も世界に名を馳せるほど大きな躍進を遂げ、遂にはバブル景気に突入するという、色々な意味で熱い時代だったのでしょう。
また、女子プロレスのテレビ放映時のシーンも、当時の見た目通りに、とてもリアルに再現されています。
「長与千種vsダンプ松本」などのテロップが、当時ならではの大きな手書き文字であり、解像度がめちゃくちゃ荒いのも、懐かしい再現でした。
もちろん、今は無きブラウン管テレビです。
80年代という時代には当たり前ながら、現在のテレビでは滅多に見られないシーンも数々ありました。
中でも、男達が、いつでもどこでも煙草を吸うのは、驚きでした。
現在の様に喫煙者が肩身の狭い世界に過ごしていると、火事が起こらないのか、嫌煙権はないのか?、なんだかハラハラします。
私自身喫煙しないので、余計にそう思うのかも知れません。
ある意味「裏切られた」のは、何故か
正直、主演のゆりやんさんの演技は決して上手ではないと思います。
普段からの、おっとりとした喋り方そのまんまですし、演技経験も少ないのかも知れません。
ただ、その演技の素人っぽさは、図らずも「松本香」という人物の朴訥さや野暮ったさを表現するのに役に立っていました。
一方で、突如、人が変わったかのように本格的なヒールの「ダンプ松本」と生まれ変わった後の演技は、とても突き抜けていて、輝いて見えました。
先に一世を風靡し、大スターとなった「クラッシュ・ギャルズ」の長与千種やライオネス飛鳥といった「同期」に対し、大きく出遅れ、離されてしまった松本香。
彼女が、最恐ヒールの「ダンプ松本」としてからは、その存在感を加速し、あっと言う間に凌駕する立場にまでなっていきます。
特に、ダンプ松本と長与千種との間の確執、諍いは、場外乱闘、流血、髪切りデスマッチなど、日に日に過激になっていきます。
ベビーフェイスを目の敵にし「極悪女王」として名を馳せた「ダンプ松本」は、活躍すればするほど人々に嫌われることになります。
誰に称賛されることなく、血みどろの戦いを経た先、物語のその最後の試合には、私はある意味大きく裏切られました。
こんな終わりを迎えるなんて!
物語の中盤からは、常に興奮やワクワクで包まれていましたが、最後の最後には、私はボロボロと泣いてしまうことになります。
もちろん悲しくて涙を流した訳ではありません。
女子プロレスをよく知っている方には、有名な展開なのだと思います。
それが実話だということは、私はこの作品を全てを見終わってから知ることになります。
もちろん結末のネタバレはしませんが、私同様、女子プロレスをほとんどご存知ない方こそ、最後の裏切られる展開を楽しんでいただきたいと思いました!
画像引用元:IMDb
まとめ
今回は、【Netflix】ドラマ「極悪女王」には、ある意味裏切られた!【感想とおすすめポイント】についてご紹介しました。
本作品はNetflixにて「16歳以上」のレイティングが設定されています。
暴力的なシーン、流血シーンも多々ありますので、お子さんとのご視聴にはご注意ください。
Netflixに加入済みの方、是非お試しください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回!
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