こんにちは、あとかです♪
10月も後半になってきました。
これから本格的に寒くなり、石油暖房が中心になると思います。
石油暖房とは、石油ファンヒーターやストーブのことです。
昔、私は家電販売の仕事をしていました。
急激に寒くなった、次の日、お客様が怒って来店されることが毎年ありました。
「去年買った石油ファンヒーターがもう点かない!」
「先週買ったばかりのストーブが、点かない!不良品だ!」
確かに、本当に不良品ということもあります。
ただ、私の経験上、本当の不良品だったというのは、極めて稀なことです。
1シーズンに、お店で販売した石油暖房全部の中で1〜2台くらいでしょうか?
暖房器具は、半年以上ぶりにお使いになると思います。
大概が、その使い始めに、失敗をしているのです。
お店に不要なクレームを持ち込まなくて良いように、シーズン始めにチェックすべき石油ファンヒーター、ストーブの使い始めのポイントについて、ご紹介します。
石油ストーブを購入したら
家電に限らず、取り扱い説明書を全く読まない方というのは、一定数いらっしゃいます。
特に、石油ストーブというのは年配の方ほど、「昔から使っているから」と思って、全く読まない方が多いです。
一番最初が肝心なのが石油ストーブです。
石油ストーブ(芯式)の使い始めのポイント
ストーブの仕組み自体は、とても単純なものです。
灯油タンクから灯油が、芯に染み込んで、点火します。
ここで誤解があるのは、「芯は燃えていない」ということです。
燃えているのはあくまでも灯油だけです。
芯はむしろ不燃性の繊維で作られています。
では、ストーブを購入した際、使い始めにはどういったことに気をつけたら良いのでしょうか
①平らな場所に設置する。
当たり前と思われるでしょうが、結構これが原因で、お店に文句を言いにこられる方がいました。
ストーブには、耐震装置が付いています。
不安定な場所にあると、ちょっとしたことで揺れて、点火することができません。
「つかない!」と持ってこられたお客様のストーブが、売り場では全く問題なし、ということが結構あります。
売り場で、恥をかかないためにも、設置場所を片付けましょう。
そもそも可燃物が散乱しているとあぶないので。。。
②新しい灯油を使う
昨年、購入して残ってしまった灯油がありませんか?
それは、絶対に使わないでください。
理由は、灯油タンクの中に水がたまっている可能性があるからです。
春、夏、秋の間の温度変化で、ポリタンク内に結露が発生し、灯油の中に水が落ち込んでいます。
混入した不純灯油を入れてしまった場合、芯にも水が染み込んでしまいます。
そうなると、水と油ですから、灯油が芯に染み込まない状態になってしまいます。
その部分だけ、場合によっては全体的に火がつかない状態になってしまいます。
例え、水が混入していなくても、灯油自体が変質してしまっている可能性もあります。
劣化した灯油は、不完全燃焼の危険性があります。
無色透明の灯油が黄色っぽくなっていたり、酸っぱい匂いがする場合は、間違いなく変質していると思われます。
不要な灯油は、ガソリンスタンド等で処分をお願いしましょう。
新しい灯油の購入と入れ替えなら、受けてくれる店舗が多いようです。
絶対に、川や排水口に流さないでください!!
③灯油をタンクに入れた後、芯に灯油を染み込ませる。
先ほど書きました通り、ストーブは「芯」は燃えません。
灯油が芯に十分に染み込むまで、15〜20分はかかります。
そこから点火すれば全く問題がありません。
では、そうなる前に点火しようとするとどうなるのでしょうか?
不燃性なので当然火がつきません。
この時点で「買ったばかりで点かない!不良品だ!」と怒って電話してしまう方がいます。
それは、まだマシで、「染み込むまで待ってもらったら点きますよー」と、優しく教えられます。
最悪なのは、「点かないはずはない!」という謎の自信で、ずーっと点火ボタンを押し続けることです。
いくら不燃性の素材とは言え、芯の着火部分だけが焦げます。
焦げた部分には、当然灯油が染み込まなくなります。
そうなると、点火部分だけ火がつかなくなりますので、点火ボタンでは点かないということになります。
(マッチやライターで他の部分につければ使えます。面倒ですが。。。)
これを不良品として怒ってくるお客様には本当に困りました。。。
完全な過失なのですが、まともに説明すれば、大抵は逆ギレされますので。
皆様も逆ギレクレーマーにならないよう、簡単なものでも取説はちらっとは目を通してくださいね。
シーズン始めの、石油ファンヒーターの注意点
以前から使っている石油ファンヒーターを、そろそろ使おうかと思った場合に注視してほしいことです。
①本体の灯油タンクの中に残っている前シーズンの灯油を使わない
これはポリタンクに残った灯油と一緒です。
劣化しているか、不純灯油(水の混入)になっている可能性があります。
ポンプで吸い上げて、廃棄しましょう。
ストーブであれば、芯を変えれば復活することが多いです。
ただ、石油ファンヒーターで、劣化灯油や不純灯油が入ると、おしまいです。
中のバーナーにススが溜まって、点かなくなります。
そうなると、修理しかありませんが、正直、その費用は新しく買った方が安いくらいだと思います。
②吹き出し口、吸い込み口のホコリを掃除
空気の吸い込み口が詰まっていると、暖房効率も悪化します。
吹き出し口に可燃性のホコリや紙切れなどが挟まっていると、スイッチを入れた途端に、ファンの風に押されて飛び出してきてしまいます。
安全のためにも、ぜひ掃除機などで吸い取っておいてください。
ちなみに本体の灯油タンクの差込口なども汚れていたら拭き取ってください。
灯油に不純物が混入するのを防止できます。
③匂いの確認
最初、ちょっとだけ焦げた匂いがすると思います。
匂いがすぐに消える場合は問題ありません。
中に入り込んでいたホコリならばすぐに燃え尽きるはずです。
ただ、ずーっと焦げた匂いがする場合は、すぐに止めてください。
何か異常があると思われます。
まとめ
<シーズン初めの石油暖房で気をつけること>
①前シーズンの灯油は使わない。(ポリタンク、本体タンクも)
②芯に十分に灯油を染み込ませてから使い始める(ストーブの最初だけ)
③吹き出し口、吸い込み口を掃除する(暖房効率と安全のため)
※何より、取り扱い説明書はチラッとでも読みましょう!
ちょっと余談です。
ご自宅の灯油のポリタンクを思い浮かべてみてください。
何色ですか?
赤い人!
あなたは、関東から東北に住んでいますね?
青い人!
あなたは西日本か北海道に住んでいますね?
実は灯油のポリタンクは、地域によって色が違っています。
昔は全国で白一色だったそうですが、安全のために色をつけることになったそうです。
都市伝説ですが、コスト意識の高い(「ケチ」の大人の言い方です。)関西の方が、安く色が付けられる青色にしたという話があります。
ちなみに私は関西生まれです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回!
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